こんにちは komatty です。
塾講師をしていることもあり、たびたび子どもの本気スイッチをうまく入れれることがあります。
今日は私がどのようにして、子どもの本気スイッチを押せたのかお話しします。
子どもの本気ってすごいんです。
こんな人におすすめ
・子どものやる気が出ない
・子どものやる気を引き出したい
はじめに
やる気スイッチが入って、見違えるほどの成長を遂げた生徒は何人もいます。
ただ子どもにもそれぞれの性格や特徴があるので、今回のパターンがどの子にも当てはまる訳ではありません。
今後、この『やる気スイッチが入った子』はシリーズ化してくるので、これを読んでくれた方のお子さんなどのやる気スイッチが入れば嬉しいです♪
参考にしていただけたら嬉しいです。
やる気スイッチが入ったA君
今回は中学1年生の3学期になってから、私の教え子になった男の子の話です。
まず私のところにきた時の成績です。
国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 美術 | 音楽 | 技家 | 保体 | 英語 |
3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 5 |
9科目を合計すると、45点満点のうち彼は29点。
ちなみにこの段階での彼のランクは203点でFランク。
(北海道の内申点に関する内容については、こちらを参照ください。)
この段階では札幌の公立入試で上位校どころか中堅校も狙うには難しい状況です。
ちなみにその彼が卒業する時の中3の3学期の成績はこのようになっていました。
国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 美術 | 音楽 | 技家 | 保体 | 英語 |
4 | 5 | 5 | 5 | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 |
この国語の先生はかなり曲者で、5をとることはまず無理な先生でした。
あの先生にはかなり苦労したー。
また他の副教科も、とにかくどの科目も実技が苦手だったので5はとれませんでした。
結局卒業時の内申点は248点、ランクはDランクでした。
そして結果、彼は北海道の公立高校でも屈指の人気校である、旭丘高校に合格するのでした。
旭丘高校の合格者の平均の内申点は294点。
内申点だけで46点足りないので、当日点で他の受験者よりも46点多く点をとらないと行けないのです。
旭丘高校って?
旭丘高校は札幌の中でも人気校の一つ。
特に制服が女の子の中で可愛いと人気で、毎年倍率が高い高校です。
例年を見ていると、旭丘高校の合格者の平均内申点は294点で偏差値は62くらい。
倍率も1.5倍あり、人気だけでなく学力でも札幌のトップ5に入るほどの人気校なのは間違いありません。
北海道の入試では内申点と当日点の2つの合算で合否が決まるので、A君は内申点だけで46点のマイナスがあるので、当日点で他の受験生よりも46点多く取らないと合格できません。
おまけに北海道の公立入試は2021年度までは、各科目60点満点で300点満点でした。
その中で46点多く取るのは至難の業。
今思うと、A君は本当に頑張った!
A君はどんな子だった?
A君はとにかく真面目で、少し声が大きい卓球部の子。
ただ理系の科目が苦手で、数学と理科は非常に苦戦していました。
文系の子だったり第一子によくあることなのですが、真面目さ故に不器用なところがあります。
1つの問題に対して正面から向き合いすぎるため、柔軟に物事を考えるのが非常に苦手。
私のところに来る前も真面目に勉強に取り組んでいましたが、何も受験のことも知らないまま過ごしているようでしたね。
そして日々共に学習をしてく中でちょっとずつではありましたが、基礎学力が身に付いていくのが十巻もてました。
中学2年生の学年末が終わったときには、成績が上がりランクもアップ!
国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 美術 | 音楽 | 技家 | 保体 | 英語 |
4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 4 | 5 |
2年生の学年末が終わった段階で、彼はFランクからDランクまで上がっていました。
ただこのランクでは、上位校どころか中堅校も到底難しい状況です。
札幌の中堅校だったら、最低でもCランクは欲しいところ。
ましてや上位校ならBランクやAランクが受験する生徒の平均。
A君は点数は上がってきて内申点も上がっているものの、中1の頃の成績が影響してランクが上がりきらないのです。
北海道では中1の内申点が入試の7分の2を占めるため、中2や中3から頑張っても限界があるのです。
学校の定期試験では安定して点数を取れるようになってきていて、模試でも偏差値がたまに60に手が届くようになっていました。
ただ点数が上がって内申点が上がっても、ランクが限界があるためモチベーションが下がっていました。
そしてある日、転機が訪れました。
ここからA君の伝説が始まる。
A君のやる気スイッチが入ったあの日
中2の学年末が終わった頃、私は全生徒に志望校調査を出しました。
そこで私は1つだけ注文を出したのです。
今の現状で行けるところを選ぶのではなく、今の段階でどこにいきたいのかを考えてもらったのです。
A君の志望校調査に書かれていたのはM高校。
M高校は合格者平均の内申点が256点のギリCランクで、偏差値が56。
A君はDランクで偏差値が平均すれば58だったので、かなり現実的な目標ではありました。
んー無難だなぁ・・・。
そして志望校調査を書いてもらってから、面談に突入。
本人もご両親も入塾当初と比べると、成績が上がったこともありM高校の進学で考えているようでした。
私としては子どもの意見とご家庭の意見が合致している場合、無理な進路変更は勧めないことにしているので、このままM高校の受験を確認していました。
スイッチが入ったのはここから1ヶ月後のある日のこと。
中3になったばかりの4月、北海道全域で行われた模試の結果が出た日のこと。
A君は同じ塾生のB君と会話をしているのをたまたま耳にしました。
模試の結果よかったぜー!
お前はランクがあったらもっと上に行けたのになー。
お前はランクがあるんだから、頑張って勉強しろよ。
オレだって本当は旭丘行きたいけど、ランクないからさ・・・。
そーだなー。お前も中1の時にちゃんとやっておけばよかったなー。
チキショー。オレだってランクさえあれば・・・。
(その会話を聞いていた私。その話にカットイン!)
A君、この1年間本当に頑張れば、旭丘行けるようになるよ。
いや、本当にマジな話で。
えっ!本当ですか?僕がですか?
旭丘ですよ?本気ですか?
冗談ですか?信じますよ?
本当に行けるなら、本気で頑張ります。
本当にいけると思うよ。
これからの1年、本気で頑張れればね。
いや!それなら本気で頑張ります!
A君のスイッチが入った瞬間でした。
私はすぐさまご両親に電話をしこの話を伝えたところ、ご家庭でも全面バックアップをしていただけるとのことだったので、ここから本格的な旭丘高校への道が始まりました。
なぜ旭丘高校に行けると思ったのか
先程から何度も書いていますがA君は旭丘高校に合格するためには、内申点が46点も足りない状況でした。
学校の内申点を見ると国語が高くありませんが、学校の先生が曲者だっただけで国語はできる方でした。
それに理系科目は苦手でしたが社会や英語が得意だったので、いつもの模試では偏差値が58くらいを取れるような学力でした。
なので理科と数学を強化できれば、可能性があると思っていました。
彼もそれが分かっていたので、授業がある日もない日もとにかく塾に来ては理系の科目を勉強し、わからない問題はとにかく質問をしていました。
彼のスゴいところは、そのモチベーションを4月から3月まで継続できたこと。
あとはとにかく謙虚だったことです。
自分は内申点もなければ、得点力も足りないので、人よりも多く頑張らないと。
彼は平気でこんなことを言える子だったのです。
私は彼のこの謙虚さと、得点力、ガッツにかけてみようと思いました。
この子ならできるのではないか!?
スイッチが入ってからの彼の勉強方法
A君の受験に限らずどの子でも共通すると思いますが、やっぱり受験も戦略が大事。
トータルで何点とらないといけないのかを考え、逆算することでより明確な目標を持つことができます。
彼の得意な国語と社会と英語では8割をとり、数学と理科では7割を目標に設定。
モチベーションが下がったり、模試の結果が出ない時でもご家庭でフォローをしていただきました。
本当にご家庭の影響というのは大きいです。
やっぱり子ども・塾・家庭の3つで同じ方向を向いて頑張るというのが一番大事。
学校の先生も同じ方向を向いてくれればよかったのですが、担任の先生は彼のランクで旭丘高校を受けるということを軽く笑ってバカにしてる感じでした。
あの先生を見返してやるぜー!
さらにA君のスイッチがブーストされた感じでした。笑
模試の結果は出なくても根気強く声かけをして、フォローしていただいたご家庭には感謝しかありません。
そして幾度となくめげそうになっても、頑張ったA君の精神力が本当に素晴らしいです。
そして彼は当日点で300点満点中238点をとり、内申点は足りないものの当日点のみで合格できる特別な枠で合格することができました。
今思いかえしてブログを書いているだけで泣きそうです。
今振り返って思うこと
今ブログをご覧になっている方の中にも、お子さんのやる気スイッチのことで悩んでる方は多いと思います。
私は大学生の時から約20年教育業界にいて感じるのですが、スマホができたりYoutubeができたり・・・と子どもを取り巻く環境は変化しています。
ただやっぱり子どものやる気は子どもがどこかで掴み取ることもありますが、親御さんや周りの大人が与えてあげることも必要だと思うのです。
きっかけはほんの小さなことかも知れません。
その小さなきっかけや、胸の内に秘めた小さなことを周りの大人が気づいてあげることが何よりも大事。
そのために一番大切なのは、周囲の大人のコミュニケーションと観察、そしてそれを信じてあげることです。
子どもの人生なんだから、子どもが全部決めればいいのよ。
このスタンスの教育方針の方も一定数いらっしゃいますが、よっぽど子どもが成熟していない限り、いい結果にはなりません。
それは放任主義ではなく、責任を子どもにぶん投げしているだけです。
やっぱり子どもとコミュニケーションをとり、しっかりとサポートしてくれる大人が周囲にいることで子どもは頑張れます。
サポートしてくれる大人がいればいるほど、子どものやる気も上がりますよね。
やっぱり子どものやる気を支えるのは周囲の大人の協力は必要不可欠です!
今回のケースでうまくいった要因を考えると、子どもと塾と家庭が一蓮托生となってサポートする体制が整ったことだと思っています。
そして子どもと家庭だけでは喧嘩に発展することが多いので、なるべく第三者が入ってサポートする体制を整えることが大切だと感じています。
このブログをお読みいただい方は、ぜひお子さんと話し合いをして見るのはいかがですか?
そして一緒に同じ方向を向いて行けるのが、一番いい方向に行きます。
そしてどうしても困った場合には、komatty に頼ってください。
最後までお読みいただきありがとうございます。