[実話]100年の定期預金で339倍になるはずが、インフレ率で大変なことに。

投資

こんにちは、komatty です。

今日は実際にあった今では信じられない定期預金の話です。

その商品とは100年の預け入れを行うと100年後に339倍になるというもの。

そして100年後、実際に満期をおろしに行くと・・・そんなにお金が増えませんでした。

詐欺だ!と思われる方もいるかもしれませんが、これは詐欺ではありません。

ではなにが起こったのでしょうか、詳しくみてみましょう。

100年も預けていたのに増えないことなんてあるの??

100年定期預金の話の前に定期預金とその注意点を確認しましょう。

定期預金の注意点と単利・複利とは。

定期預金とは普通預金よりも金利が高く設定されている代わりに、途中解約できない商品です。

普段の生活で使わない分を普通預金に入れておくなら、少しでも金利が高い方がいいですよね。

預入期間はその商品で異なりますが、最短だと1ヶ月で最長10年というのが一般的です。

定期預金でどのくらいお金が増えるのか、大切なのは金利の種類です。

金利には大きく分けて、単利複利があります。

単利とは

単利とは元本のみに利息がつくことです。

例えば1年3%の商品を1万円で購入するとします。

すると 10000円✖️3%=300円が利息となるので、1年後には10300円となります。

そして翌年も 300円の利息となるため、最初1万円だったのが10600円になるわけです。

もうお分かりかもしれませんが、3年後以降も300円の利息がついていきます。

10年後には300円の利息が10回つくので、1万円が1万3000円となるわけです。

(本来なら税金がかかるのですが、わかりやすくするためあえて省略しております)

預金にかかる税金が気になる方は、こちらをどうぞ

利息がずっと変わらないのが単利なんだね。

では次に複利を見てみましょう。

複利とは

複利とは、元本+利息にかかる利息のことです。

先ほどの単利と同じ条件、年3%で1万円を預けたらどうなるでしょうか。

まず 元本1万円✖️3%=300円の利息となるので、10300円になります。

1年目を終えた段階では同じ金額ですね。

2年目以降は元本と利息で受け取った10300円に利息がかかります。

すると 10300円✖️3%=309円の利息がつくため、2年目終わった時点では10609円になります。

2年目終わった時点では9円の違いしかありませんが、これが積み重なるとどんどん増えていきます。

10年後には1万円が1万3439円になり、単利と比べると439円の違いが出ます。

利息がどんどん膨れ上がっていくのが複利なんだね

これは元金が1万円でしたので、元金が多ければもちろん利息も変わります。

何よりも複利で一番の味方となるのは、時間です。

預入の時間が長くなれば長くなるほど、効果が絶大です。

かのアインシュタインも「人生の最大の発見は複利である」と言ったほど。

これ、本当の話だよ。

では100年の複利効果があれば、どのくらい増えるのでしょうか、見てみましょう。

100年定期預金を発売した新潟貯蓄銀行

この商品は1915年、大正4年に新潟貯蓄銀行が大正天皇即位の記念預金として募集したもの。

内容は100年という超長期の定期預金で金利は年6%の複利

定期預金なので途中解約ができないのがネックですが、金利としてはかなり魅力的♪

単純計算で電卓を100回叩いたところ、仮に100万円預けたとしたら3億3930万円

脅威的な数字ですね・・・。

今の自分だったらこの商品を買うか、かなり悩みますね。

50年だったら子どものために残してあげてもいいかな?と思うけど100年は・・・もう孫かひ孫か。

自分の子孫のためにそこまでしてあげれるか・・・ちょっと難しい。

さて話を新潟貯蓄銀行に戻しましょう。

1915年に開始したので、2015年に満期になりました。

もちろん100年前に預けたことは知らないので、証書などの書類で知る人が多かったよう。

339倍と言えばものすごい期待できる数字ですが、今と昔ではお金の価値があまりにも違います。

例えば給与で見てみましょう。

1915年の大卒の初任給は約35円今の大卒の初任給は約22万7000円

今の時代では大学を卒業する人は多く、国勢調査によれば20代の人では52.4%が大卒。

しかし1915年は前年に第一次世界大戦が始まり、そんな中大学に進む人はエリートでした。

そのエリートの人の初任給が35円、単純に今の初任給と比べると約0.015%。

もし1915年の初任給を全てこの定期預金に注ぎ込んでも、100年後に11725円にしかなりません。

しかもこの利息にも税金がかかるので、実際の手取りはもっと少なくなったでしょう。

初任給という言葉を基準にしたら、100年前の35円が22万7000円になってないと損になりますよね。

22万7000円の初任給の人からすれば、11725円のお金は初任給の約5%に過ぎません。

35円の人からすれば、5%は2円にもなりません。

100年定期預金をしてるウチに、実は損をしたことになっています。

なぜこんなことになったのか、この100年間に強烈なインフレが起きたのです。

戦争後に日本経済が好調になり、定期預金で増える金額以上に物価が上がってしまったのです。

物価が上がりすぎると、お金の価値がどんどん下がってしまったということですね。

(物価の上昇がよく分からない方はこちらをどうぞ)

お金が増えてもそれ以上に物価が上がってしまうとなにも買えないもんね。

最後に

いかがでしたか?

お金を増やすために100年もの定期預金にお金を預けても、結果損をしてしまいましたね。

単純に当時と今を比較できませんが、今は超低金利時代。

普通預金でも定期預金でもそこまでお金は増えません。

ただそんな中、生活必需品は年々値上げをしています。

ということは、どんどん物価に負けてきています。

物価に負けないような資産の作り方が必要ですね。

しっかりと資産運用して、豊かな生活を送りましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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